00.静岡茶・主な産地の特徴を知る

一口に「静岡茶」と言っても、沢山種類があって、何がどう違うのだろう・・・
そう思ったことはありませんか?
実際、お茶のパッケージを見ても、イマイチお茶の違いは分かりにくいです。
いや、分からない場合の方が多いでしょう。
かと言って、情報サイトを調べてみても、一般的な情報が並んでいるだけで、こちらもイマイチ分かりにくい…
そこでこの記事では、静岡茶の有名処の掛川・川根・本山の3産地を中心に絞って分かりやすく下記のトピックでまとめました。
👉背景まで理解するための情報を産地別にまとめる
👉三大産地以外の面白い産地も紹介する
この記事を読むことで、数ある静岡茶の主要な産地の違いが分かり、どのお茶を選ぼうかと判断しやすくなります。
実際に、かつてお茶屋で働いていた際に、直接お客様に説明していた内容を表などにしてまとめ分かりやすくまとめています。
ぜひ気軽に読んで頂き、お茶のチョイスにお役立て下さい。
01.静岡茶・三大産地の特徴を一覧化する

では、さっそく三大産地の特徴をまとめていきます。
これを見るだけで、特徴や個性が一目瞭然です。
地形 | 味 | 蒸し | おすすめの人 | 価格帯 | |
掛川 | 開かれた傾斜面 | 色も味も濃いめでコク楽しむ | 深蒸し | 広く初心者から | 安め~普通 |
川根 | 山間部 | 色はすっきりお茶の甘み際立つ | 浅~普通蒸し | お茶好きが喜ぶ | 普通~高級 |
本山 | 山間部 | 個性ある香りとさらりと飲みやすい飲み口 | 浅~普通蒸し | 優しい味好きなら広くおすすめ | 普通~高級 |
ちなみに、上記にまとめた情報は、原則「新茶」「一番茶」を想定してまとめたものになっています。
「番茶」や「ほうじ茶」の場合は、その通りとは言えない場合がありますので、その点はご注意下さい。
では、それぞれさらに詳しい説明で、より深く理解し、産地のイメージをグッと明確化させていきます。
02.静岡茶の特徴を簡潔に理解する

02-1.掛川茶の特徴
地理的特徴
静岡県の中西部、ゆるやかで開かれた斜面にある茶園が多いです。
風味
深蒸し茶がほとんどで、水色も味も濃く、お茶のコクをしっかり感じられます。
おすすめできる人
比較的高温でも手軽に美味しいお茶の味が出るため、広く初心者の方にもおすすめできます。
付加価値ストーリー
今や一般的になった深蒸し製法の産みの産地です。
深蒸し茶は、手軽にしっかりした水色で味も出せる事から、一般に普及しました。
また、伝統的な「茶草場製法(ちゃぐさばせいほう)」を受け継ぎ、茶園周辺で刈り取ったすすき等を茶の木の根元に敷き、有機肥料として活用する栽培法です。
02-2.川根茶の特徴
地理的特徴
南アルプスを背負い、静岡県中部を流れる大井川沿いの上流域。
昼夜の寒暖差が大きく、朝夕に立ち上がる霧が川根独自の風味を産んでいると言われます。
風味
水色は薄めながら、お茶特有の旨みを感じやすいため、「甘いお茶」とも言われます。
浅~普通蒸し茶が多いです。
おすすめできる人
個性のあるお茶である分、淹れるのに失敗があるお茶でもあります。
そのため、何も考えずに淹れてしまう初心者にはおすすめできません。
また、旨み系のお茶が苦手な方にもおすすめはできません。
その反面、それ以外で深蒸し茶に慣れた人にはこれが同じお茶?と思われるお茶でもあります。
付加価値ストーリー
全国の品評会の常連で、その受賞回数も数知れないクオリティです。
また、マンガ『茶柱倶楽部』主人公の産まれの地とされており、日本茶最高の産地の一つとされています。
02-3.本山茶の特徴
地理的特徴
静岡中部を流れる安倍川とその支流域を中心とした山間地帯。
風味
豊かなお茶らしい香りと、飲み口が柔らかいお茶になります。
失敗があるお茶ではありますが、出る味は飲みやすく、嫌いな人が少ない味でしょう。
おすすめできる人
完全な初心者さんにはおすすめしにくいですが、日ごろお茶に馴染みがある人であれば、少し冷ましてから淹れることだけ抑えてもらえれば、広くおすすめできるお茶です。
付加価値ストーリー
とにかく歴史が古いのが特徴です。
その起源は、鎌倉時代でこのエリアから静岡へお茶栽培が広がったとされています。
戦国~江戸時代には、あの徳川家康もお茶好きで、このエリアのお茶を好んで飲んだそう。
03.他の特徴的な静岡茶も知っておく

静岡茶といったら、という三大産地をご紹介しておきましたが、そのほかにも個性的な地域のお茶が沢山あります。
ここでは、その中から2産地だけ簡単にご紹介しておきます。
03-1.朝比奈玉露
地理的特徴
静岡県中部・藤枝市岡部の寒冷な山間地域にあります。
風味
静岡でも珍しい、玉露の産地として有名な場所。
京都の宇治とはまた違った旨みの風味を感じられ、特にその香りが個性的。
昔ながらの藁(わら)で茶園を覆って日光を遮断する製法によるものです。
おすすめできる人
玉露は玄人向きの高級茶です。
希少性のあるお茶なので、お茶好きにプレゼントすると大変喜ばれるでしょう。
03-2.遠州森の茶
地理的特徴
静岡県の北西部の山間地にある「遠州の小京都」と呼ばれる森町。
ここで作られるお茶を遠州森の茶といいます。
風味
山間地のお茶でかつ深蒸し茶という個性が面白いお茶です。
山間地のお茶は、浅~普通蒸し茶が多いのです。
そのため上品で繊細な味と、しっかりしたコクの両方を兼ね備えたお茶になっています。
おすすめできる人
本山茶に近いイメージで、完全な初心者にはおすすめしにくいかもしれません。
しかし、味も比較的しっかりしているので失敗というほどの味になることは少なそうです。
個人的には、広くおすすめしたいお茶です。
04.産地別お茶のまとめ

では、最後に各産地のおすすめのお茶をまとめておきます。
掛川茶
佐々木製茶「かごよせ」
世界の一流シェフによる国際品質味覚審査会Superior Taste Award(優秀味覚賞)の最高位三ツ星を8年連続で受賞する日本を代表するブランドです。
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川根茶
つちや農園『極上 天空の風』
川根茶の中でも、標高が高い場所で栽培され、品評会受賞茶の製法で作られた贅沢なお茶です。
なんと、全て手摘みで収穫されているとか。
本山茶
小柳津清一商店「駿府御用達深むし煎茶「匠」 100g」
本山茶でも珍しい深蒸し仕立てのお茶です。
そのため、比較的しっかりした味を感じ、かつ本山らしい香りを楽しめる逸品。
アマゾンでも買え、レビューも高いのがその実力を表しています。
ぜひ、静岡茶の個性を楽しんでみて下さい!
では、また。