00.急須の使い始めに行うべき事とは

よし、急須を買ったぞ!
・・・と、買ったは良いものの、陶器のお皿などだと、最初にお湯か何かに漬けたりしていたが、急須は何かしないのかな?
そう思って、この記事を読んで下さっている方が多いかもしれません。
実際には、多くの方がそこまでは考えず、いきなり急須を使ってしまっています。
しかし、実はそれはとてももったいないことなのです。
では、何をすれば良いのでしょうか?
ズバリ、「煮沸」です。
ただし、「急須を煮沸する」と言っても、どんな場合でも行うべきだ、というわけでもありません。
この記事では、「急須の使い始め」というテーマで、下記の疑問を解消していきます。
・煮沸するとどんなメリットがあるのか?
・具体的にどのように煮沸すればよいのか?
・そもそも自分の急須は煮沸の必要があるのか?
この記事を読むことで、ご自身の持つ急須が他人よりも、綺麗に長く使えるようになるでしょう。
実際に、「きつさこ」として茶器を販売している僕自身、自分用に購入した急須には必ず行っている内容になっています。
01.あなたの急須は使い始めに煮沸が必要か?

いきなりですが、実は全ての急須で煮沸が必要というわけではありません。
・樹脂製
・プラスチック製
・磁器製
これらの素材のタイプには、使い始めの煮沸が必要ありません。
逆に言えば、煮沸すべき素材は、
・陶器
の2種類になります。
炻器とは、石でできた磁器と土でできた陶器の中間の素材で、具体的には「常滑焼(とこなめやき)」「萬古焼(ばんこやき)」が有名です。
急須といえば、愛知の常滑焼・三重の萬古焼がシェアを占めているので、所謂急須を持っている方は、ほとんど必要があるかと思います。
一方、美濃焼・九谷焼・有田焼・波佐見焼などの素材は、急須の場合、磁器のものがほとんどなので必要が無いでしょう。
厳密には、急須の内部を触ってみて、ザラザラ感があれば炻器、つるつるとしていれば磁器と考えてもらえると分かりやすいかもしれません。
02.なぜ急須を煮沸をする必要があるのか?
では、なぜ使いはじめにわざわざ煮沸の手間をかけなければいけないのでしょうか。
理由は、次の2点です。
②汚れにくくするため
製造したての急須であればまだしも、急須は必ずしも製造されてからすぐに売れていく商材ではありません。
※当店の場合はほとんどが出来たてのものです
お店によっては、半年~1年くらいは在庫を持ち続けているところもあります。
そのため、ホコリ・汚れ・雑菌などが付いている可能性が高いのです。
また、それ以上に重要なのが②。
汚れにくくするために、煮沸するのです。
急須には、その内側を触ってもらうと分かる通り、ざらざらした感触となっています。
そのざらざらは、小さな穴や凸凹が存在しているためであって、お茶を淹れた時にお茶の渋みなどを吸着してくれる作用を持っています。
しかし、使いはじめに何もしないままお茶を淹れると、空洞のところにお茶の成分入るため、より奥まで成分が入りやすくなり、汚れや匂いの堆積を促してしまいます。
最初に十分に水分を含ませてあげることで、汚れの侵入を程よく防いでくれるのです。
03.急須の使い始め「煮沸」の方法

では、具体的な方法を見ていきましょう。
2.沸騰したら、弱火で15分ほどコトコトします
3.煮沸が終わったら自然乾燥でそのまま一晩寝かせます
煮沸が終わった直後は、急須は想像以上に熱を帯びた状態となっていますので、やけどに気を付けて取り出しましょう。
少し時間をおいてから取り出してもよいかもしれませんね。
こうしたやり方は、非常に手間で面倒と思う方が多いかもしれません。
実際、僕もそう思っていました。
しかし、実際にやってみるとやはり明らかに急須の持ちも長くなりますし、何よりその急須への自分の意識が高まります。
すると、もっと美味しいお茶を飲んでみたい、この急須で沢山のお茶を淹れてみたい!などと思えてきます。
そうなったら、ガッツポーズ。
ちょっとの手間が、あなたのお茶ライフの未来を変えるかもしれません。
04.急須の使い始め方・まとめ
以上をまとめておきます。
✔理由は、洗浄と汚れ予防のため
✔やり方は15分コトコト煮沸して一晩寝かせるだけ
ぜひ、急須を買ったら行う使い始めの儀式だと思って、試してみて下さい。
あなたの意識も変わる実感を得られるはずです。
ただし、急須をきれいに保つには最初だけ煮沸すれば良いかと言われればそうではありません。
定期的なメンテナンス方法も頭に入れておく必要があります。
(むしろ、長く使い続けるためにはそちらの方が重要です。)
下記に具体的にまとめていますので、よければ読んでみて下さい。
【洗剤はダメ!】急須屋さんが教える正しい急須の洗い方
では、また。