【冷蔵庫はNG】急須屋さんが教えるお茶の保存方法【目安期間と素材紹介】

  • 2020年10月7日
  • 2020年10月7日
  • 茶器
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00.急須屋さんが教えるお茶の保存方法

お茶の保存方法について、実はあまり自信が無くて・・・どうやるんだっけ。
そんな方がこの記事を開いてくれているかもしれません。

茶器を扱う仕事柄、よくお茶の保存に関しても下のような質問を頂きます。

・お茶って、そのまま保存していてはダメなんですか?
・このお茶、どれくらい持ちますか?
・冷蔵庫で保管した方が良さそうですが、どうでしょうか?

この記事では、上記のような疑問が全て解消するよう、茶器を扱う「きつさこ」代表を務めている僕が実践している内容をまとめていきます。

最後まで読んでいただければ、具体的にどういった方法でどれくらい保存できるのかが分かり、これまでよりも一味違った美味しいお茶を淹れる事ができるようになるでしょう。

01.お茶の正しい保存方法とは?

茶筒 茶缶

01-1.密閉性のある容器で日の当たらない場所で

理想的な保存方法とはずばり、密閉性の高い容器で、熱くない暗めな環境で保管することです。

意外に思った方もいるかもしれません。
なぜ、上記のような方法が理想なのでしょうか。

それは、お茶の劣化要因をしっかり抑えることで理解できます。

劣化要因 ①湿度
最も気をつけたいのが湿気です。
湿気によって茶葉の酸化が促進され、味・香り共にダメージを受けます。

劣化要因 ②匂い
茶葉には実は、強力な脱臭作用があります。
そのため、他の食品等と近い場所で保存することで、せっかくのお茶の風味が台無しになってしまいます。

劣化要因 ③温度
高温による影響も大きいです。
酸化が促進され、水色が褐色化しやすくなります。

劣化要因 ④光
実はも強い刺激です。
茶葉の葉緑素を分解させ、水色を褐色化させ、香りを変化させてしまいます。

お茶の葉は、かなりデリケートなものだと理解しておいた方が、普段から美味しいお茶が楽しめるはずです。

01-2.よくある保存ダメな例

茶葉が劣化する要因を抑えたところで、お茶にあまり関心のない多くの方が行っているダメな保存例をご紹介しておきます。
もし実践されていた場合、ぜひ改善を考えてみて下さい。

ゴム止め
買ったお茶の袋に残った茶葉をいれたままゴム止めして保存している例です。
これは最も最悪な保存方法で、湿気のダメージをかなり受けやすいとされています。
また微生物の侵入も許してしまいがちなので、衛生面でも避けた方が良い方法です。

ジッパー式の袋で保存
最近では、もともとの茶葉が入ったパッケージ事態に、ジッパー付のタイプが増えてきました。ただ、こちらもあまりおすすめはできません。
理由としては、多くの人が完璧に閉めきれておらず空気が入ってしまいがちだからです。
やむなくこの方法で保存する場合には、元々入っている乾燥剤などはそのまま入れておきましょう。

冷蔵庫
結論から言えば、こちらもおすすめできません。
詳細は後半にまとめています。

02.お茶の保存期間はどれくらい?

茶筒 茶缶

では、実際、お茶は購入後どれくらい持つものなのでしょうか?

結論から言うと、1か月以内です。
さらに言えば、理想は3週間、夏場は2週間以内とされます。

もし「そんなに短いんですか!?」と思ったのであれば、それは購入する容量が多すぎている可能性が高いです。

例えば、通常100gのお茶を購入していて、1日に2回茶葉を使うとしたら、
ざっくり10gは使うことになります。

すると、10日間で使いきれる計算になります。

※ちなみにおすすめは1回で7g使う方法です。詳しい淹れ方についてはこちらの記事へ⇊

【簡単】おいしいお茶の入れ方【日本茶スペシャリスト直伝】

逆に、2日に1回だとしたら、2日間でざっくり5gとして、40日間かかることになります。

この場合ですと、100gを買う時には「自分には多めの容量なんだ」と自覚した上でご購入を考えてみる事で、劣化を抑えた美味しいお茶を楽しみやすくなります。

03.お茶は冷蔵庫で保存してよいのか?

茶筒 茶缶

ズバリ、やめた方が良いと言えます。

一見、光も当たらず、かつ低温での保存となり最高の環境ではないか?と思うかもしれません。

しかし、こんな点で冷蔵庫保存は避けた方が良いです。

・他の食材の臭いを吸着してしまう
・冷えすぎて、取り出した際に僅かでも結露してしまうリスクがある

先にも上げた通り、臭い移りと湿気という最大の敵を冷蔵庫は抱えている環境なんです。

とりあえず冷蔵庫に入れておけば安全だろうと思っている方もいらっしゃいますが、少なくともお茶に関して言えば、そういうわけでもないのです。

【お茶コラム】
冷凍保存をおすすめする方もいますが、これもやめておきましょう。冷蔵庫以上に確実に結露をしてしまい、せっかくのお茶の風味が台無しになってしまいます。結露を防ぐように冷蔵庫に戻してから―などと書かれているものも見かけますが、正直手間がかかり過ぎて現実的ではないと思います。

04.おすすめのお茶保存容器とは

さて、ここまでで保存方法についてはばっちり抑えられたかと思います。
そのうえで、さらに保存容器にもこだわるとよりお茶の品質を保てます。

よくある素材としては、木製・プラスチック製・ステンレス製・銅製があります。
木製は、さすがメイドインジャパン・職人技の商品であるものが多く、特に密閉性に優れています。
一方で、とにかく値段が高い
最近では、1万円以上するものがほとんどとなってきました。

そのため、よく見かけるのは、プラスチック・ステンレス・銅の3素材です。
プラスチックは、ピンからキリまで品質レベルが様々ですが、どの素材も、とりわけ密閉性と遮光性、好みのデザインなどを基準で選ぶと良いでしょう。

ぜひ店頭等で触ってみたり、インターネットであればレビューを参考にしてみて下さい。

個人的には、殺菌効果も期待でき、シックなデザイン性が映える銅素材が好みです。

ここでは、きつさこで扱う密閉性の高い茶筒を3つご紹介しておきます。

◎桜柄・友禅紙茶缶

きつさこのロングセラーの茶筒です。
京都発祥の友禅紙をブリキ缶に巻き付け、かつ内側に錫メッキ加工を施し、茶葉の劣化を抑制します。
デザインも他では見かけない和モダンな感じで、人気です。

◎菊姫柄・友禅紙茶缶

上記の人気を受けて柄を変えて展開を広げたバリエーション商品です。
桜柄同様、友禅紙や錫メッキ加工を施しています。
北欧デザイン風にも見える絵柄が、お茶にとどまらずコーヒー豆の保存にも使えるというお声も頂きました。

◎継ぎ目のない純銅茶筒

新潟県の燕三条市で製造されている銅茶筒です。
通常、銅茶筒といえば5000~1万円が相場のところ、破格のコストパフォーマンスと品質で人気を頂いています。
中々写真だと伝わりづらいですが、実物を手に取ると重みと手触りの良さを感じ、本物の茶筒感を体感できます。

以上です!
ぜひ今回初めて知った保存方法を試して頂き、よりおいしいお茶を楽しんで頂ければとても嬉しいです。

では、また!

茶筒 茶缶
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