01.お茶とコーヒーの違いとは?

ここ20年で、日本ではコーヒーを飲む人口が飛躍的に増加しました。
全日本コーヒー協会によれば、1996年の日本国内コーヒー消費量が約35000トンから、2019年には約45000トンに増えています。
※「日本のコーヒー需給表」より
日常的にコーヒーを飲む人が増えた一方で、今、その反動として改めて「たまには、お茶の方が良いのかな?」と思う人も増えてきている印象があります。
実際、先のコーヒーのデータでは国内消費量のピークは2016年で、それ以降は微減傾向という感じになっています。
特に、会社で働くような20代~30代の女性を中心に、コーヒー以外へ、特にお茶にも目線を移してみようという動きが出てきている実感があります。
実際、昨年は「甘くないミルクティー」の売上が伸び、ドリンクメーカー各社が新商品を発売しています。
昨年までの「タピオカドリンクブーム」もその一旦かもしれません。
そこで、この記事では、多くの人が抱いている下記の疑問についてまとめていきます。
👉そのメリット・デメリットとは?
👉カフェイン量で見るとどれくらい違うの?
この記事を読むことで、お茶とコーヒーの得意なところと苦手なところが理解でき、今後の飲み物チョイスの判断がしやすくなることでしょう。
ぜひ、最後まで読んでみて下さいね。
02.お茶のメリットとデメリット

02-0.お茶のメリット
ではまず、お茶のメリットからまとめておきます。
≪お茶のメリット≫
・テアニンによるリラックス効果
・カテキンによる免疫UP
・バリエーションが豊富で楽しみ方が様々
02-1.お茶のリラックス効果
お茶と聞くと、「カフェインが入っているから覚醒作用があるんでしょう?」と思う方も多いかもしれません。
もちろん、カフェインは入っていますし、それによる活性作用はあります。
しかし、コーヒーにはなくお茶にしかない成分として「テアニン」というものがあります。
このテアニンがリラックス効果を産んでくれるのです。
昔から、お茶を飲む時のイメージは、覚醒というよりリラックスではなかったでしょうか?
それがまさに、テアニンの効果によるものだったのです。
02-2.お茶カテキンの免疫効果
また、カテキンはポリフェノールの一種で、免疫力をUPさせてくれることも分かっています。
実際、お医者さんの休憩時の飲み物は緑茶にしている方も多いそうです。
カテキンが効く理由としては、カテキンが粘膜に付く菌やウイルスを除去してくれるメカニズムが研究で分かっています。
※2012年静岡県立大学の研究より
02-3.お茶のバリエーションを楽しめる
最後に、「お茶」と言っても実は、非常に多くのお茶があります。
≪お茶の種類≫
・緑茶(番茶・一番茶・玉露)
・ほうじ茶
・紅茶
・中国茶
それぞれ、味も香りも同じお茶とは思えないほどに、全然異なります。
日本では、お茶と言えば「緑茶」がイメージされますが、世界で最も飲まれているのは「紅茶」です。
さらに種類でも、例えば、日本中国茶協会では、中国茶の種類は、少なくとも2000種類以上のお茶が存在していると言われています。
また、例えば、ほうじ茶などはカフェインが非常に少ないため、夜でも睡眠への影響がほとんどない貴重なお茶です。
そのため、朝は緑茶、午後は紅茶、夜はほうじ茶など、時間や体調に併せて様々なお茶を楽しめるのも、その魅力と言えます。
このように、一口にお茶と言っても、楽しみ方やその広がりは広大で、趣味としての深みがあります。
02-4.お茶のデメリットとは
一方で、そのデメリットもしっかり見ておきましょう。
≪お茶のデメリット≫
・カフェインの過剰摂取
・鉄分摂取がされにくくなる
やはり、カフェインは気になる所です。
後ほど具体的な成分量は載せますが、お茶のカフェイン摂取のやっかいなところは、リラックス効果があることで、逆に飲み過ぎてしまったり、夜にも飲みたくなる人がいる事です。
しかし、やはりカフェインを摂りすぎる事で、
・嘔吐
・胃腸の傷み
など、体へのダメージが出てくるとされています。
無難な範囲で考えれば、お茶は多くても、1日9杯程度がおすすめです。
※後ほど具体的な基準は説明していきます
また、お茶の渋み成分であるタンニンは、鉄分と化合する作用があると言われています。
そのため、お茶を飲み過ぎると鉄分が体内から消費されてしまう恐れがあります。
鉄分が日常的に不足している人は注意をした方が良いかもしれません。
03.コーヒーのメリットとデメリット

03-0.コーヒーのメリット
次に、コーヒーのメリットを見てみましょう!
≪コーヒーのメリット≫
・カフェインによる覚醒作用
・クロロゲン酸による脳卒中リスク低減
03-1.カフェインによる覚醒作用が起きやすい
先にも触れた、カフェインの覚醒効果を実感しやすいのがコーヒーです。
理由はカフェイン量が多いから。
※後ほど具体的にどれくらい違うのか、まとめています。
しかし、カフェインのメリットは実はそれだけではありません。
集中力の向上や、頭痛の緩和、脂肪燃焼の促進効果などが研究の結果報告されています。
03-2.クロロゲン酸による脳卒中リスク低減
また、コーヒーに含まれるポリフェノール「クロロゲン酸」が、脳卒中リスクを下げてくれることが、最近の研究で分かってきました。
実際、2012年の医学雑誌『The New ENGLAND JOURNAL of MEDICINE』で発表された論文によると、コーヒーを習慣的に飲むことで脳卒中の死亡リスクは低下すると報告されています。
この辺りの詳細も、全日本コーヒー協会のまとめ情報が参考になります。
03-3.コーヒーのデメリット
一方で、コーヒーの主なデメリットを2つ挙げておきます。
≪コーヒーのデメリット≫
・口臭が気になる
・カフェインの過剰摂取と睡眠障害
コーヒーを飲んだ後の口臭って、結構気になりませんか?
飲むときに気持ちの良いあの香りも、飲んだ後の口臭になると結構辛い事も。。
これはお茶には全くない要素でもあります。
コーヒーの後に人と会う場合は、口臭ケアをおすすめします。
そして何より、やはりカフェインの過剰摂取ですよね。
コーヒーは、カフェインが強い一方で、案外美味しく飲めてしまいますので、注意が必要です。
具体的な症状は、お茶のところで書いたものと同じです。
では、具体的にどのくらいカフェインがあって、摂取目安などはどう考えればよいのでしょうか?
04.お茶とコーヒーのカフェインを比較しよう

食品安全委員会「食品中のカフェイン・ファクトシート」によると、それぞれに含まれるカフェイン量は、
コーヒーは、マグカップ1杯100mlに対して、60mg。
一方、煎茶は、湯呑み一杯100mlに対して、20mg。
ざっくり、コーヒーの3分の1の量、と考えておけば間違いなさそうです。
さて、お茶の種類別でもみてみましょう。
表
同じ緑茶にカテゴリーされる玉露や、抹茶には、
コーヒー以上のカフェインが含まれていて、特に玉露。
玉露のお茶60mlで、なんとカフェイン160mg!!
一杯辺りで見れば、コーヒーの2.5倍以上!!
結構な量になります。
実は知らない人も多い飲み物かと思うのですが、玉露というのは宇治茶や伊勢茶に多いお茶で、太陽光を遮断して育てることで、お茶の持つ旨みを際立たせる栽培方法でできたお茶です。
玉露は特に1杯の量も少なめ。
飲み過ぎにご注意ください!
では、カフェインの摂取上限の目安はあるのでしょうか?
実は、我が国ではカフェインの摂取上限が定められていません。
海外の事例を見ると、欧州連合(EU)の欧州食品安全機関(EFSA)は、健康を維持するために望ましいカフェイン摂取量について、成人では1日400mg未満に抑え、1回の摂取量が200mgを超えないようにするべきとする提言を発表しています。
※出典サイト「保健指導リソースガイド」
この目安からある程度厳しく見ても、
コーヒーで4杯、緑茶で10杯
まではOKという認識くらいがちょうどよいでしょう。
もちろん、妊婦の方や小さな子どもはより注意が必要です。
05.まとめ

では、上記をまとめていきます!
✔お茶のメリットはリラックス、コーヒーのメリットは覚醒作用
✔カフェインの摂取目安は、コーヒーで4杯、緑茶で10杯が無難
お茶とコーヒーのメリット・デメリットを理解して、良いカタチでメリットをGETできるようにしたいですね!