00.紅茶と兼用して良い急須とダメな急須

煎茶も飲むけれど、紅茶も飲みたいから、それっぽい急須ってないかな?
そう思って、調べ始めていてこのサイトにたどり着いたかもしれません。
そんなあなたに伝えたいのは、「紅茶と兼用してはいけない急須がある」ということです!
せっかく紅茶自体が美味しくても、そのお茶が台無しになっていくかもしれません・・・
この記事では、下記のような疑問をまとめています。
✔逆に、兼用にして良い急須はどんな特徴があるの?
✔具体的に、兼用できるおすすめの急須はどんなもの?
この記事を読む事で、紅茶も淹れる人がどんな急須を買うべきかが分かり、購入の判断軸を得ることが出来ます。
実際、急須の販売をしている店長の身で、多くの方が今回のポイントを理解していない結果、買うべきではない急須ポットを検討している光景を見てきました。
ぜひ、この記事を読んで下さったあなたには、美味しい紅茶や煎茶を飲み続けられるように、迷わずご自身の好みに合った急須ポットを選んでもらえたら嬉しいです。
01.紅茶と兼用してはダメな急須とは?

結論から言えば、「ザラザラした急須」は兼用として使ってはいけません。
ザラザラした急須とは、「陶器」や「炻器(せっき)」の素材のものを指しています。
これらの急須の素材には、小さな穴がポツポツ空いていて、だから触るとザラザラした感覚がするのです。
この小さな穴に、お茶の成分が徐々に吸着されて行きます。
そのため、お茶の味がまろやかになったり、急須を長年使う事でご自身らしい急須に育つ、など言われてます。
一方で、煎茶と紅茶とでは、まったく風味が異なります。
煎茶は、「旨み」を特徴としたお茶で、ものによっては緑茶らしい「渋み」を楽しめるものです。
対して、紅茶は紅茶らしい「渋み」とその独特の「香り」を楽しめるお茶になっています。
この特徴の異なるお茶の成分が、急須の中で蓄積され、成分が徐々に混ざってしまいます。
その結果、
「あれ、何か今回のお茶は煎茶っぽくない風味だな・・・」
「あれ、この紅茶、何か香りが変わってる・・・」
等ということになってしまいかねないのです。
つまり、陶器や炻器の急須で紅茶と兼用してしまうと、お茶本来の味や香りを損なってしまうリスクがある、ということです。
02.紅茶と兼用しても良い急須の3つの特徴

では、どういった急須であれば、紅茶と兼用可能なのでしょうか。
その特徴を3つ挙げてまとめます。
02-1.素材がツルツル
ザラザラがダメであれば、ツルツルはOKです。
より厳密に言えば、「磁器」という素材であればOKと言えます。
磁器は、石を細かく砕いた素材からできていて、表面には穴などはありません。
そのため、成分の吸着もなく、都度洗う事で匂い移りの心配が不要です。
西洋系のポットなどは、ほとんどが磁器で作られたものになっています。
なお、それでも日本茶には炻器(せっき)の急須が良いと思います。
その理由を、陶器・炻器・磁器の違いから、それををさらに詳しくまとめた記事がありますので、急須選びに迷っている方は、併せてどうぞ⇊
【急須の産地】素材の違いがお茶の味にも影響する【炻器(せっき)と磁器の違い】
02-2.ガラス素材
続いて、ガラス製のもの。
こちらも磁器と同じ理由でお茶成分の吸着がないため、紅茶用と兼用可能です。
ガラス製の場合、抽出中の中の様子まで見えるので、特に色鮮やかなお茶の多い紅茶やハーブティーなどでは好んで利用する方が多い印象です。
最近は特に、SNS映えに最適との傾向で人気です。
一方、どうしても破損がしやすい特徴があるため、ある程度で壊れるものと思って購入するのをおすすめします。
02-3.持ち手が後ろ手(横ではない)
急須と一口に言っても、その持ち手の付き方は様々です。
大きな特徴として、横に持ち手が付いているタイプと、注ぎ口とは反対側に付いている後ろ手タイプがあります。
何となく感覚で分かると思いますが、横手の急須で紅茶を淹れるイメージってないですよね。
実は、横に持ち手が付いたティーポットは世界でも日本独自の設計のようです。
中国茶も紅茶も後ろ手のポットタイプですよね。
煎茶自体は、後ろ手でも不自然の無いタイプがありますので、その形であれば兼用ができるでしょう。
03.紅茶と兼用できるおすすめの急須ポット3選

特徴は分かったけど、具体的にどんな商品があるんだ、という方に向けて参考までに僕がおすすめできる商品を3つ挙げていきます。
▼西海陶器・マジョリカポット
何かを紹介する場合、ほとんどのパターンで挙げているマジョリカのティーポット。
先にお伝えした特徴は全て当てはまり素材は磁器製、その上で茶葉の捨てやすさや注ぎやすさがピカイチです。
もちろん、緑茶もいけますので、磁器製で迷っている方はこちらで間違いないでしょう。
弱点としては、容量が450mlと紅茶用としてはやや小さいことと、傾けた時に蓋の隙間から若干漏れる傾向があるくらいでしょう。
完成度は高いです。
▼ハリオ・ジャンピングポット
続いて、大手のハリオさんのガラス製ポットです。
特徴は、何といっても茶こしです。
注ぎ口にのみ付いていることで、お茶は十分に広がるスペースが生まれ、お茶の味が出やすい設計になっています。
しかも、その茶こしは取り外し可能なので、定期的な洗浄もできます。
弱点は、横に大きいので思ったよりも保管スペースが必要なことと、蓋の口が小さめなので洗う時に手が大きい人は洗いにくいであろうことですね。
僕も使っていて、味を重視したい人にはおすすめできるアイテムです。
▼KINTO(キント―)ワンタッチティーポット
続いても、ガラス製です。
おしゃれなデザインで有名なキントーさんらしい、スタイリッシュなフォルムと素材感が最大の魅力です。
容量も460mlと720mlの2種類があり、ニーズに対応できる点も嬉しいところ。
弱点は、注ぎのしにくさ。
特に茶葉を沢山いれてしまうと、上で茶葉が凝縮されたときに出が悪くなったり、蓋から漏れたりする場合があります。
ここを我慢できれば、置いていても淹れていてもおしゃれなポットです。
いかがでしたでしょうか。
ぜひ、素材の違いを理解頂いて、紅茶と煎茶を日頃から楽しめるポットを選んでもらえればうれしいです。
では、また。